newsletter vol11「聞き比べる」

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今週は2つのトピックについて;
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1.ピアノ鑑賞を楽しむアイデア
2.シューベルト
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まずは先週のクイズの回答から。
正解はB。

ショパン自身は、
完成度の低い作品と思い込み
生きてる間は出版を許可しなく、
死後も燃やして破棄するように
お願いしたそうです。
その曲がこんなにもヒットするとは!
人間の感性は本当に人それぞれです。
1]
本日はピアノ鑑賞をより楽しむための
ひとつのアイデアをシェアします。

聴き比べをしてみる!

バッハ、ベートーヴェン、
ショパン、 リストなどは全員演奏者
でもあり作曲家であった時代。

しかし、いつからの時代から
作曲はせず、演奏だけを専門とする
クラシックピアニストが誕生しました。

どうしてそのようになったか?

練習にたくさんの時間をとられ
作曲に専念する余裕がない。

単純すぎる理由ですが、
ひとつの事実です。

書き残された音楽は暗号のようなもの。
楽譜を読める人にしか理解できません。

そこでクラシックピアニストの使命は、
暗号を解いて、磨き上げた表現技術の
演奏を聴いてもらうこと。

残されたテキストは同じでも、
表現者によってこうも変わるのか!
驚きがあるはずです。

これがクラシック音楽を
聴く人にとっての面白さであり
弾く方にとっての課題です。

ただ流して聴いているだけや、
1人の演奏家を聴いているだけでは、
発見出来ないことです。

日本の個性も海外旅行をして
初めての発見があるように、
とにかく違いを実感してみると
わかりやすいです。

例えば先週の「幻想即興曲」。

Youtubeからピアニスト5人の演奏を
一つの動画にまとめてみました。

出だしの違いは?

どう違って聞こえる?

どれが好き?

どこが好き?

音色? 演奏姿? 雰囲気?
何度か繰り返すと、
感覚で音楽を感じられるように
なってくるはずです。
正解、不正解のない芸術の世界です。
良い、悪いで判断するのでなく、
好き、嫌いを発見してみて、
違いを認識してみてください。

あなたの感性は今どう感じ取る
でしょうか?

ぜひ聴き比べてみてください。

2]
今週の曲はシューベルト。

Schubert Klavierstuck D.946 -2

シューベルトの音楽は、
本当にメロディーが美しい。
胸がじんわりします。

そこには常に切なさ、悲しさ、
寂しさがにじみ出ているようで
弾きながらも泣けてきます。

32歳という短い人生だった
フランツ・シューベルト。

素晴らしい才能を持ちながらも、
常にベートーヴェンの影の存在で
作品も身内にしか認めてもらえず
不幸な生涯だったと伝えられています。
たいてい、長調と短調を比較したとき、
短調が暗く、より悲しい音楽ですが、
シューベルトの場合は、
暗い短調よりも明るい長調の方が
さらに悲しく感じるのです。
(この曲の中間部分などが例です)
明るい中にも影の存在を感じる、
他の作曲家にはない
シューベルト独自の世界です。

今回はYoutubeでは配信不可能で
あったのでこちらのリンクになります。

聴いてみてください!

いつも応援ありがとうございます。

富永 峻

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2016-06-20T15:00:31+09:00 2016-06-20 |Diary|