ピアノは楽器の王様と言われ、
サイズも1番大きく音域も一番広い。
かすかに聞こえるような弱音から、
80名のオーケストラと共演できる
大音量も出せる。
楽器では唯一10個以上の音を
同時に鳴らせるすごい楽器だ。
フルコンサートサイズは、
全長277cm、重さ500kg
貫禄たっぷり!!
ホッキョクグマの重さです!
弾いている方も王様気分ですが、
これだけ幅広い楽器を演奏できると
欲張りにもなります。
「ピアノ独奏用に編曲」
と言われる楽曲があります。
それは、ピアノ1つで
オーケストラを表現したり、
伴奏とメロディー両方を奏でたり
欲張りな構成です。
歴史上、最も欲深かったのは、
「フランツ・リスト」
だったかもしれません。
超人的な技巧の持ち主で、
ピアノでできないことは
無いと伝えられています。
彼はシューベルトの歌曲、
ベートーベンの交響曲、
オペラアリアなど、
様々な楽曲をピアノ独奏用に
編曲しています。
面白いことに同世代のショパンは
全く編曲をしていませんが…。
性格的な違いでしょうね。
そしてブラームスも異なります。
演奏効果、華やかさをメインに
考えられたリストの作品と違って、
ブラームスは、技術の向上を
目的として編曲しました。
ヴァイオリンのための名曲中の名曲
「バッハのシャコンヌ」。
片手で演奏することで
原曲により忠実で、なおかつ
左手の技術向上に役たつと考えて
生まれた曲です。
同じくこの曲を編曲した
フェルッチョ・ブゾーニの曲
と比べると、(こちらの方が
豪華な編曲で人気も高い)
ブラームスの音楽に対する
保守的な考えと謙虚さが表れています。
編曲に対する意見は賛否両論です。
編曲は原曲に忠実でなければいけない?
それとも、編曲なのだから、
自由に手を加えていい?
僕の考えは、編曲大賛成です。
オリジナルが素晴らしいから、
あえて無理してピアノ独奏で弾かなくて
良いと言う意見もありますが、
編曲があるおかげで他楽器のために
作曲されたレパートリーをピアノで
学ぶきっかけにもなりますし、
音楽の教養がつきます。
言うまでもないですが、
これはプロフェッショナルとして
必要不可欠なことです。
僕自身もこれから
どんどん編曲などを含め
たくさんのレパートリーを勉強し、
演奏していきたいと考えています。
日々努力し、
学ぶ姿勢を持ち続けたいです。