今回のテーマは
「ドイツとロシア 光と影」
音楽的に対極に位置する
作曲家シューベルトと
プロコフィエフの対比を
メインに考えました。
どちらが光、影というよりは、
両者が悲しみや歓喜を
どのように表現しているか、
その違いに注目してもらいたいです。
対照的だからこそ、相性が良く、
演奏会プログラムで組合わされる
ケースも頻繁にあります。
生きた時代、
(Schubert,1797)
(Prokofiev 1891))
国籍の違いだけでなく、
性格的にも根本的に異なる2人。
共通点はメガネをかけていた
ことくらいでしょうか、、
シューベルトといえば
美しいメロディー,
3度、6度など調和がとれた
和声を軸に、つい口ずさみたくなる
親しみやすい旋律が特徴的です。
まるで内に秘めた感情を
小声で語りかけるよう
デリケートで優しく表現する
必要があります。
一方プロコフィエフの音楽は
サルカスティック(皮肉っぽく)
で大袈裟な表現を必要とする
音楽です。
SARCASMUS(風刺)という題の
曲を作ったのは偶然では
ありません。
不協和音も多く、まるで世界には
美しいものだけが存在するわけでは
無いというばかりに、刺激的な
和声を多用します。
一般的に「変な音楽だね~」と
言われる理由はここにあります。
しかし不協和音の扱いがとても
ロジカルなので、理解して
演奏するとその魅力にはまります。
私はプロコフィエフの音楽を
奏でていると、なんだかアイディアが
触発される気がします。
この和声に、この旋律!
この音形とリズム。
とにかく音楽が斬新ですね。
楽器の扱い方も全く違います。
プロコフィエフのピアノ曲は、
鋭い、短い音(早い打鍵)を必要とします。
人間の声を真似するような
伸びがある音色が必要とする
シューベルトでは、鍵盤を撫でるよう
ソフトなゆっくりとした打鍵を
多用します。
音楽のリズムにも特徴があり
ブルドーザーで突き進むような
堅いリズム感と、馬車で旅をする
シューベルトの音楽。
皆様はどっちが好みでしょうか?
箱根で温泉か、沖縄で海???