newsletter vol 6 “Bach / chromatic fantasy”

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newsletter vol 6 “Bach / chromatic fantasy”

皆様いかがお過ごしですか?

私は34歳を迎えて1週間たちました。

色美しい5月の景色をみながら
日々練習に励んでいます。

メルマガ第6号は
「バッハ&ポリフォニーについて」。

先週の動画で紹介した曲と

(全曲お聴きになれます)

今週の曲を比較した場合、

どちらが難しいと思いますか?
多くの人がリストの曲の方が
難しいと答えるかもしれません。
確かにミスタッチなく
綺麗に弾くことだけを考えれば
リストの方が100倍も難しいですが、
僕の中では、ある意味バッハの方が
難しいと思います。
その理由は?

レッスンの際、
生徒さんに曲を弾きおわった後の
自身の感想を求めると、
ミスしたところや、
いつもここで音が抜けてしまう、
などが最も気になるそうです。
綺麗にミスタッチなく演奏することが、
ゴールになってしまっています。
これは必要不可欠ですが、
ゴールになってはいけません。

例えばリストのスペイン狂詩曲を
1音もミスなく演奏するのは難しい。

バッハを1音もミスなく演奏するのは、
リストほど難しくない。

しかしながら、バッハのほうが、
音楽的解釈が難しく
説得力のある演奏に仕上げるのも
リストより大変である。

結論としては、
バッハを勉強することで
正しく弾くというゴールより
さらに高度の高い演奏技術が
身につくのです。

きちんと弾いただけでは、
ただ退屈な音楽に聞こえてしまいます。

難しさを分析すると、

①音数が少ない分、音符1つ1つを
より丁寧に演奏しなければ、
粗雑な演奏に聴こえてしまうこと。

②ピアノの技術で最も難しいと思われる
ポリフォニック奏法(多声部)が
不可欠であること。

③暗譜が非常に難しいこと。

④ペダルに頼れないこと。
(ぺダルでごまかせない)

という4点にまとめられます。
これらの理由から、
作曲されて300年以上が経つ今でも
基本中の基本と言われている理由です。

私も定期的に原点に戻るため
バッハの勉強を再開します。
なんとなく必要性を感じるのです。

好きというのもあります!
学生時代も、課題として与えられて
いなくても、バッハの平均律を独学で
勉強していました。
「バッハは何度弾いても飽きないねー」
と大のピアノ好きな祖母が
言っていたことを思い出します。
でもそんな彼女が最も好きだった曲は、
やっぱりショパンの英雄ポロネーズ。(笑)
バッハを演奏する際、最も重要なのは
上記で述べたポリフォニックな奏法、
そしてポリフォニックな耳です。
これが本当に大事なのです!

このポリフォニックな耳で
演奏できることが、
音楽家としての格の高さを表すと
私は感じます。
Polyphonic ear とは、
音を聞き分ける能力のこと。
意識的に全部の音を聴くことです。
一見簡単そうですが、
多くの場合、演奏しながらだと、
聴きやすい、耳に入って来やすい音だけに
注意がいきがちです。
でも完璧な演奏とは、
演奏したすべての音が
耳を伝わって脳に届いた時。
この究極、理想に向かって
僕は日々努力し続けます。
バッハはその近道だと、
考えています。
あなたのポリフォニックな耳を
今日は鍛えてみてください!

いつも応援ありがとうございます。

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