vol.26「指使い」

//vol.26「指使い」

vol.26「指使い」

今回はピアノ演奏において
とても重要な[指使い]について
お話ししてみたいと思います。

楽譜を読め、ピアノを練習したこと
がある人であれば、誰もが
指使いの難しさを体験したことと
思います。
それは例えば、ドレミ
と単音で並んだ音があるとします。

これを1、2、3
もしくは 2、1、3、
あるいは 2、3、4
などいろいろと考えられますよね。

想像がつきますでしょうか?

基本的な運指はスケールや
和音のポジションに基づいて
弾きやすさ重視で感覚的に
決めればいいですが、
厳密に考えたほうがいい場合もあります。

それは例えば音楽的に強い、
太い音が必要な場合、
自然な手の使い方でいけば
薬指とか小指で弾く音を、
あえて中指や親指に変えて演奏する。

左手の段に書いてある音符を右手で
演奏する、もしくはその逆。

連打音を同じ指か、変えながら演奏する。

オクターヴを1-5、あるいは
1-4で演奏する。

トリルの指使いを考える。

など、研究の余地は多数あります。

ある先生が私に言ってくれました。
指番号を1個1個楽譜に書き込むことは
多少無意味な作業にも思えるけど、すごく
楽譜を注意深く読む助けにもなるから、
ぜひ試したら良いと。

さすがに1音、1音全部書くのは
気が遠くなるほど面倒だけど
細かく書いてみたら、確かに良い。
弾きやすくなるだけでなく、
音一つ一つを丁寧に
演奏するようになった。

めんどくさい!
この言葉は芸術においては厳禁ですね。

面倒なことを緻密に行うことで、
作曲家への思いも深まります。

最近、レッスンを受けることが
なくなり、指使いを書かないことで
怒られることも無くなりましたが、
今日この記事を書きながら
怠ってはいけないなーと少し反省。

優れたピアニストになればなるほど、
指使いに敏感にならなければ
いけませんね。

ドビュッシーの練習曲には
このような前書きがあります。

「私はあえて、指を一つも
記入しないまま、楽譜を出版した。
それは各演奏者が自由に
自分の手の大きさや形に合わせ、
指使いを考えるべきであるからだ」

指使いとペダル。

常に極めていくことが
ピアニストには必要であるのでしょう。

いつも読んでくれてありがとうございます。

動画は今日のテーマに基づき、
内田光子さんがドビュッシーの
練習曲で連打音と指使いについて話している
動画をピックアップしました。

素晴らしいな~

shun-piano

$today$

Previous
Next
2016-10-16T14:18:43+09:00 2016-10-16 |Diary|