newsletter vol.21 協奏曲・ショパン第2番 ヘ短調

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newsletter vol.21 協奏曲・ショパン第2番 ヘ短調

3日前から韓国に滞在しています。
本日ソウルで学生オーケストラとショパンの
協奏曲第2番を共演します。
辛いもの、エネルギーが湧いてきそうな料理も
腹いっぱい食べました。
2000人の大ホール。

本番が楽しみです。
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協奏曲を準備するのはソロレパートリーや室内楽とは
また違った練習が必要です。

ピアノ協奏曲は50人以上が奏でるオーケストラの音より
際立っていなければいけないので、
もちろん全体的なボリュームも通常より必要ですし、
オーケストラを引っ張っていくような熱意も必要。

およそ30分程度でも90分のソロコンサートと
同じくらい消耗します。

バッハからプロコフィエフまで、数多くの作曲家が
ピアノ協奏曲を作曲していますが、ショパンの協奏曲の魅力を
分析してみました。

ショパンほどピアノに特化した作曲はいませんでした
と以前書きました。
その事実は協奏曲にもよく現れています。

ショパンの場合オーケストラパートは
ほとんど活躍しません。
ソリストが休憩している間のTuttiこそ大きな音で
演奏しますが、ピアノが入るとppで長く伸ばしている
音型がほとんど。

メロディーっぽく演奏する場所はほとんどありません。
これほど、オーケストラパートを「適当」に書いたのは
ショパンだから許されることでしょう。

「適当」とはちょっと言い過ぎかもしれませんが、
あまり重きを置いていなかったことは譜面から想像できます。
ソリストとの絡み合いが少なく、ピアノがオーケストラと
ともに、いわば室内楽的に演奏することは1箇所くらいです。

ですから捉え方の問題ですが、コンチェルトとしての完成度は
若干、ベートーヴェンやブラームス、
ラフマニノフの曲に劣ると想います。
しかし、ソロパートの華やかさ、ピアニストの
腕の見せ所は特に多く、ピアノ曲に
オーケストラ伴奏がついた曲と位置付けてもいいでしょう。

もう一つ大きな特徴はテンポルバート。
一人で弾いている分には、独自のセンスで行えばいいですが、
オーケストラと合わせるとなると、これはかなり大変。
誰よりも指揮者が大変です。

私はなるべく左手をしっかり弾いて、予測できる
ルバートを心がけて準備しましたが、
やはり1、2回のリハーサルでは難しいですね。

本番では指揮者になるべくついてきてください。。。
とお願いするしかないです。

では、そろそろ会場入りします。

いつも応援ありがとうございます。

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2016-09-11T10:41:10+09:00 2016-09-11 |Diary|